名詞の不思議、女性名詞と男性名詞以外にももっとあった!?

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私の投稿の「物事が難しくなるのは、自分で問題を作ってしまった時だけ」で、生物の性別については、イタリア語の名詞はさほどやることがないことを説明しました。

復習しよう!

イタリア語にはいわゆる名詞の性別が2つある、男性形と女性形。

パスタ「pasta」、車「macchina」、通り「strada」は女性形であると考えられ、一方で、本「libro」、皿「piatto」、リュックサック「zaino」は男性形。

生物を示す名詞の場合は、名詞の性別は実際に本当の性別に対応している。

  1. 男の子「ragazzo」、男性「uomo」、男性教師「maestro」は人間の男性を示す男性名詞
  2. 少女「ragazza」、女性「donna」、女性教師「maestra」は人間の女性を示す女性名詞

でも、物やコンセプトなど(つまり、生物以外のすべて)を引き合いに出す名詞の場合には、男性-女性の区別はあまり意味がない。

「パスタ」は女性に見える?リュックサック「zaino」は?男性っぽく見える?

ほとんどの女性名詞は「a」、男性名詞は「o」で終わる。従来の2つの区別を「タイプa」「タイプo」として考え直すことが私の提案。

  1. ragazza, donna, maestra, pasta, macchina, strada → タイプ a
  2. ragazzo, uomo, maestro, libro, piatto, zaino → タイプ o

このようにすると、イタリア語を身に着ける日本人として、あなたは女性のパスタや男性の本であると無理に考えないことになる:D つまり、ネイティブスピーカーの考えに一層近づくということ。私がイタリア語のネイティブスピーカーとして言える確かなこと。それは「パスタ」は女性名詞だから女性であるという考えが、私の頭をよぎることは絶対にないということ!

もう少し続けてみよう!

「a」や「o」ではなく「e」で終わるイタリア語の名詞はたくさんある。でも、別のグループはない。実際に、この名詞は「a」や「o」で終わっていないのに、「タイプa」だったり「タイプo」だったりする。

しかも「a」で終わる名詞の数はかなり限定されているけれども「タイプo」に属したり、その逆もある。

でも、このことは私が伝えようとしているポイントを変えるのではない。名詞に「性別」があると考える必要はない。これが外国人生徒にとって、無駄な混乱の元になりがちだから。

男性でもない、女性でもない中性名詞って?

実は、ドイツ語、ノルウェー語、ロシア語、クロアチア語などの他の欧州の言語にはもう1種類名詞がある、中性名詞。単に男性でも女性でもないという意味。

ドイツ語の一般的な例を挙げよう。

  1. 日「Tag」→ 男性名詞
  2. 夜「Nacht」→ 女性名詞
  3. 本「Buch」→ 中性名詞

イタリア語と違って、ドイツ語は、どの名詞にどの性別が当てはまるのかというきちんとしたルールがない。終わりが役立つ「a」や「o」タイプがない。分かるかな?

でも冠詞が名詞の前にあると、すぐに区別がはっきりする。

  1. 日「der Tag」、男性 「der Mann」、ワイン「der Wein」 → 男性名詞
  2. 夜「die Nacht」、女性「die Frau」、アイデア「die Idee」 → 女性名詞
  3. 本「das Buch」、ビール「das Bier」、水「das Wasser」 → 中性名詞

ドイツ語もイタリア語の性別でやったようにできると思う?考えてみて!少し考えればあなたでもきっとできるよ。

男性、女性、中性の代わりに、「タイプder」、「タイプdie」、「タイプdas」という言葉で改めて考えることができる。

最初にこの2つでつまづく場合には、この考えは特に役に立つ。

  1. 男の子「der Junge」 → 男性名詞
  2. 女の子「das Mädchen」→ 中性名詞(!)

分かる?男の子「Junge」は男性名詞なのに、女の子「Mädchen」は予想されるような女性名詞じゃない、中性名詞!この無意味さは、日本人も西洋人も関係なくドイツ語を学ぶ多くの生徒を悩ませる。

あらためて、まとめて「性別」というラベルを避けるとうまく行く。「タイプder」、「タイプdie」、「タイプdas」の方が分かりやすい!

3タイプ以外にももっとタイプがある!?

名詞タイプが3種類と聞いただけで頭がパンクしてしまうかもしれないけど、言語によってはもっとタイプがあると言ったらどうする?

実、私が一番好きなアフリカの言語、ウォロフ語にはなんと名詞タイプが10種類もある!クレイジーでしょ?

従来、ウォロフ語の名詞タイプは「名詞分類」として知られている。ドイツ語のように、見ただけで名詞タイプが分かるようなきちんとしたルールがない。冠詞は名詞の後につくことで区別がはっきりする。

  1. 子供「xale bi」→ タイプ bi
  2. 男性「góor gi」→ タイプgi
  3. お茶「àttaya ji」 → タイプ ji
  4. 水「ndox mi」 → タイプ mi
  5. 大地「suuf si」 → タイプ si
  6. 馬「fas wi」→ タイプ wi
  7. 人「nit ki」 → タイプ ki
  8. 生徒「ndongo li」 → タイプ li

最後の2つの分類は複数名詞にのみ使用される。

  1. 男性(複数形)「góor ñi」← 男性(単数形)「góor gi」から
  2. 馬(複数形)「fas yi」← 馬(単数形)「fas wi」から

すごくおもしろくない?

最後に一言

名詞「タイプ」 ― 「性別」や「分類」と呼ばれているもの ― とは、世界の多くの言語の特徴。日本人にとって、これは変わっていると思うかもしれない。でも、苦手だと思う意識をなくすことを私は提案するよ。名詞の性別は実際の性別(男性・女性の区別)とそんなに関係がないことを頭に置いて、決して意識しないことを覚えておこう!

より多く言語を毎日の生活で利用することで、頭の中で良い方法が見つかるよ。

一緒に楽しくイタリア語を学ぼう。Alla prossima(またね)!

Arturo


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